2016年03月

東日本大震災から5年たった。

この時期になるとSNSで『東日本大震災3.11~あの日を忘れない~閲覧注意』というタイトルの動画がよくシェアされる。

2013年に公開されたものだが、津波の凄まじさや、被害に遭われた方の深い悲しみが鮮明に5分26秒の動画に記録されている。

この動画の表現の方法は賛否両論で、「TVでは知る事が出来ない現実を知らされた」、「絶対このことは忘れない」「涙があふれて止まらない」などの肯定的な意見がある反面、計算された画像の配列やBGMの使い方など完成度が高いことで見る者が「現実感を持てない」、「死を美化している」という批判的な意見など、5年たった今でも多数のコメントが寄せられている。

また、コメントの中で「BGMが良い」と言う意見よりも「BGMが必要ない」という意見が多かったが、果たしてこの曲、chouchouの『another _dawn 』なしに685万回も動画が再生されたかということに関しては甚だ疑問である。

実は、なんとも言えない複雑な気持ちであるのだが、この動画がこれほど反響が無ければ、私もchouchou(シュシュ)というアーティストを知ることはなかったであろう。

chouchouはボーカルの juliet Heberleとコンポーザーであるarabesque Chocheの2人によるユニットで、ジャンルとしてはエレクトロニカとかアンビエント(環境音楽)に分類されるでしょう。日本でも以前話題となった『セカンドライフ』というバーチャルワールド内で結成され、アバターを使って、その3Dの仮想空間のライブ会場で楽曲を発表している。

私が最近気に入っているのが、クラッシックから着想を得たと思われる「ave maria」。
juliet Heberleのミラクルボイスとarabesque Chocheのクラッシックの造詣の深さが光る作品である。



そして、あの3.11の震災の画像に使われている『another _dawn 』は第3者の2次利用であり、オリジナルはchouchouのホームページで東日本大震災の募金を呼びかける形で無料でダウンロードされている。



ホームページの中でarabesque Chocheはこう語っている。


中略〜

残念ながら、哀しみの渦の中にいる方には音楽は全く無力かもしれません。

でも、そんな方々がまた夜明けを感じる事が出来た時、よりよい明日があるように、僕らにも、彼らにも、この音楽が役立つ事を願って作りました。

今暗闇の中にいる人が、またいつか歩き出せる事を願って。

2011.04.02 Chouchou


音楽はそれほど無力なものなのであろうか?

今だに反戦や平和を願う人々はジョンレノンの「イマジン」を合唱し、デヴィッドボウイの「Herors」はベルリンの壁を壊すきっかけになったとも言われている。

音楽を通じて人々が感じる力とは

「希望」…「夢」…
そして「未来」


arabesque Chocheのコメントからも理解できるように、時には音楽は希望を見出だす為の一筋の光なのかもしれない。




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姫は肉食系女子である。いわゆる、いまどきの「男子に積極的なアプローチをする」それでは無く、本当にお肉と炭水化物(お米)が好きな女の子である。

まずは親父の私の話である。
いよいよ50歳にカウントダウンになり、よく見た目は年令よりも若く見られる方だが、毎年の健康診断ではどこかしら黄色信号を灯すようになってきた。

それでいて朝は早く、夜は遅い食生活をしているので、昼食には野菜を意図的に摂るようにして、炭水化物を減らすように心がけている。

その努力の成果なのか、近頃Yシャツの襟や袖口の脂汚れが少なくなったし、何よりも"う◯こ"が臭く無くなった。

"う◯こ"が臭く無いというのは、腸内の環境が良好であるというし(便の臭いで健康状態が分かる!毎日チェックして健康に生かしましょう)、よく言うベジタリアンに嵌まり、体内から浄化させようとする人の気持ちも少し解る気がする。

そんな父親と違い、肉食系女子のなめこ姫は野菜をほとんど食べない。

確かに自分自身若かりし頃は野菜を好んで食べるなんてことはなかったし、野菜が美味しいと感じたことはなかったので、妻も私も「食べなさい!」とは言うものの、それほど無理強いはしない感じであった。

私の子供の頃は、お袋にクドクド野菜を食べなさいと言われたものだが、子供の事を考えれば、それが本当に大切な事なのかもしれない。

最近見つけた記事『いまのあなたの「食物繊維不足」は、子どもに引き継がれる』を読んだみて、事の重大さに気付かされました。

野菜を必要な量食べ無いと、大腸の中の食物繊維を分解して栄養にする菌が育たなくなり、その大腸環境は親から子へと受け継がれていくのである。

つまり姫が野菜を食べ無いと将来生まれてくるであろう子供逹は、野菜を分解して栄養にする力が弱くなってしまうのである。

それが親から子、子から孫と世代を通して弱体化していく場合、それを短期間で健全な状態に戻すのは難しい。

唯一、治療法で確立されている方法とは、「他人の食物繊維を分解できる菌を持つう◯こ」を腸内に内視鏡やチューブで移植するしかない。

う〜ん、"う◯こ移植"
それだけは避けたいですよね(笑)

最近、なめこ姫も思春期のようで私との会話も少ないのだか、自分と次世代の為にも野菜を食べることの大切さを理解してもらいたいですね。

ちなみに1週間ぶりの家族団欒の今日の夕食はカレーでした。姫は相変わらず野菜を食べませんが、今はこの話は出来ませんね(笑)

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まさか、デヴィッド・ボウイについて、またブログを書くことになるとは、全く予想してはいなかったのだが、最後のアルバムで気になる発見があったので続編としてまとめてみることにしました。

前回のブログの後半に『★』(ブラックスター)の内容を予想した記述がある。


1番近い前作の『The Next Day』が『Herors』のアルバムジャケットを斬新な形でリサイクルをしていることもあり、アルバム曲中の『Where Are We Now? 』などはベルリン時代を回顧するようなバラードがあることから、この最後のアルバムも"古き良き時代"に関係しているのだろうか?

『デヴィッド・ボウイ とベルリンの壁』より


実は『★』にはベルリン時代を回顧させられるような、感覚があったのでである。

アルバムの最後の曲でファンの評価の高い『ICan't give everything away 』の最初の部分のメロディーラインとアルバム『LOW』の7曲めの『a new career in a new town』の前半のメロディーラインが酷似しているのである。(特にハーモニカの部分が)

ICan't give everything away

a new career in a new town

実は『ICan't give everything away』はラストの曲ではあるが、7番目の曲である。

40年近く前のアルバムと同じ順番の曲が酷似したメロディーラインを持つというのは、偶然というよりは何か意図があるのではと考えるのが自然である。

そして『★』というアルバムが7曲しかないというのは、ちょっと不自然である。

癌との18ヶ月の闘病で7曲迄が限界だったという説が有力であることは容易に理解できるが、"ブルーレディー"さんのブログに書かれている【「★(Blackstar)」とアルバム「’hours…’」の関連性。デヴィッド・ボウイが「★」を7曲収録にした意味を「’hours…’」の楽曲「Seven」に問う。】7という数字の神秘性にこだわったという説も占星術に精通し、僧侶の資格を持つボウイだったらあり得る話である。

私の考えでは一連の流れから、その答えは鎮魂歌(レクレイム)にも聞こえる8番目からの『LOW』の後半に意味があるのではないか⁈と想像してしまう。

ただ、それらはファン達の憶測であり、真実は本人のみしか知る由もない。

タイトルの『ICan't give everything away 』は直訳すれば「すべてを与えて行くことは出来ない」ではあるが、歌詞の文脈からすれば「すべてを明らかにすることは出来ない」とも受け止められる。

つまり、明らかに出来ない秘密もあるということなのである。

ボウイの最後のアルバムなので、色々な謎も含めて興味は尽きない。

先日、Blackstar★(ブラックスター)のタイトルに関してとても参考になるブログを発見しましたので紹介します。


これは、Elvis Presleyの曲の歌詞である。正式タイトルは「Flaming Star」だが、通称「Black Star」とも呼ばれているらしい。そういえば、Bowieの歌詞の中に「Flamstar」というワードが出てくるが、それもこの曲に由来しているんじゃないだろうか。

Flaming Star (aka Black Star)- Elvis Presley

Every man has a black star
A black star over his shoulder
And when a man sees his black star
He knows his time, his time has come

人は誰でも ブラックスターを持っている
ブラックスターは肩越しにいて
自分のブラックスターを見つけたら
己の寿命を知る、死期が訪れたことを…

『週末と終末』より




世代こそ違いますが、ボウイとプレスリーは共に1月8日生まれで、ミュージシャンとして共鳴し合っていたこもあり、この歌詞の内容を考えてみても、『★』ブラックスターのタイトルはプレスリーのこの曲から引用したことは間違いないだろう。

もしかしたら、こんな謎が多いアルバムを創ったボウイの気持ちも時期がくれば少しは理解できるかもしれない。

なぜって?

それはたぶん人は皆誰でもブラックスターを持ち、それを見つけることができるのだから…











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2016年1月10日デヴィッド・ボウイが死んだ。
NEWアルバム『★』(ブラックスター)をリリースした2日後の出来事であった。

あれから2ヶ月近く経つというのに、いまだにFacebookやGoogleのAIのアルゴリズムは追悼記事やBOWIEの情報を運んでくる。
いや違う、それだけ彼が、陳腐な表現ではあるが「世紀の大スター」であり、死して尚、多くの人々に影響力を持ち続けているということだろう。

遺作の『★』(ブラックスター)を聞く為に、彼の過去のダンボールに収まっていたCD群をiPhoneに叩き込んで、何かを邂逅しようとしている。
さすがに、LPレコードは今のところ、どうにもならないよな…(笑)

ボウイの過去のアルバムの中で、私が一番好きのは1977年に発表された『LOW』である。ブライアン・イーノと共同して制作されたこのアルバムに関してはファンの好き嫌いもはっきりしている。

なぜなら前半はインストルメンタル調であり、後半のアンビエント・ミュージック(環境音楽)というスタイルは、今迄のボウイのグラムロックとは全くの毛色の異なるアルバムだったからである。

ボウイ自身も一時期、「このアルバムは私の作品ではない」と語ったり、「これは最高傑作である」と言ったような作り手と聞き手が時代と共に評価が変化するような作品なのである。

Low
David Bowie
Virgin Records Us
1999-08-26



1976年、ボウイはドラックを絶つ為に、ロサンゼルスからベルリンに住まいを移す。後日談だが当時ベルリンはヨーロッパ最大のコカインのマーケットだったようだが、知らなかったらしい(笑)

この地でボウイはブライアンイーノと共にベルリン3部作と呼ばれる、『 Low』、『Heroes』、『 Lodger』の3枚のアルバムを制作している。
プロデュースは3作共、遺作の『★』(ブラックスター)を含めてトニー・ヴィスコンティによるものである。



このブログを書いている途中に、遅らばせながらamazonに『★』を注文しました。書き終わる迄には届くであろう。

さて、『LOW』の話に戻る。
その当時はまだベルリンの壁があった時代、米ソの冷戦の時期でもある。
アルバムの後半(B面)は私がもっとも好きなのだが、「Warszawa」という曲から始まる。
とても重く、とても暗いながらも、微かな光の揺らめきを感じることできる。

ワルシャワというのはポーランドの首都であり、度々戦火に見舞われた複雑な時代背景を持つが、この曲がワルシャワという特定の都を意味しているのかは謎である。

なぜならボーカルで歌われている言語は、この世に存在しない言語「フォネティック・ランゲージ」というものだけに、その曲の本来の意味は作り手のみぞ知るものであり、ボウイの音楽の世界には珍しいことではない。

例えば後半の3曲目の「Wailing Wall 」も「嘆きの壁」と言えば、エルサレムの「西の壁」を意味するのは一般的であるが、それ以外にも「ベルリンの壁」をも意識しているのかもしれない。

そして次作のアルバムのタイトル曲、『Herors』に至っては明確に「ベルリンの壁」の話である。



ボウイは『LOW』の発表から10年後、1987年6月にベルリンの壁のそばでコンサートを開いてる。

その時、奇跡が起こったのである。

壁の向こう側の人達が、彼の音楽に聞き耳をたて、そして彼の唄を一緒に歌っているのである。

この時、ボウイ自身もベルリンの壁を題材にした『Herors』を唄う際、「私たちは願いを壁の向こうにいる友人たちに送ります」とドイツ語でアナウンスしたことはあまりにも有名な話である。

そしてこの2年後にベルリンの壁は崩壊する。



2016年1月11日ドイツ外務省は異例のツイートをする。

「さようなら、デヴィッド・ボウイ。あなたは(我々にとっても)ヒーローです。 ベルリンの壁を崩す手助けをしてくれてありがとう」



今日、ボウイの最後のメッセージの『★』がamazonから届いた。

ブラックスターのスターは「ジギー・スターダスト」のスターの変容や音楽性の変化を意味するものなのだろうか?

1番近い前作の『The Next Day』が『Herors』のアルバムジャケットを斬新な形でリサイクルをしていることもあり、アルバム曲中の『Where Are We Now? 』などはベルリン時代を回顧するようなバラードがあることから、この最後のアルバムも"古き良き時代"に関係しているのだろうか?

なんてことを色々と想像していまうのだか、結局のところボウイの音楽は理屈じゃ計り知れない。

さあ、聴きましょう♪ ラストメッセージを。


続編:★(ブラックスター)の7番目の秘密ーRest in peace DAVID BOWIEー

★(ブラックスター)
デヴィッド・ボウイ
SMJ
2016-01-08


Heroes
David Bowie
Virgin Records Us
1999-08-26


The Next Day
David Bowie
Sony
2013-03-12





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