『お直しや採寸の知識は販売員の武器になる』


このタイトルの8月10日の南充浩氏の繊維産業ブログの記事は常々日頃の販売の仕事で考えていた事であった。

私はここ数年、某アウトレットモールでスーツを取り扱うショップで販売をしている。

お客様によく聞かれることは

「こういうアウトレットではお直しはどうすればいいの?」と言う疑問である。

うちのショップではお直しに関してはプロパーショップと一緒で近場のファッションリフォームと契約し、時間がかかる修理に関しはお預かり、もしくはご配送で対応している。

1日の閉店近くお預かりの修理品を館内の契約しているリフォームに持ち込むのだが、そう言えば70店舗近くあるアパレルショップでリフォームでそのスタッフらしき人と会うことは殆ど無かった。

他のショップはお直しをどうしているのであろうと常々疑問に思っていた。

そこそこ名前の通った数店舗からお話を聞かせて貰ったが、やはり修理品のショップでのお預かりはしてないらしく、一応採寸して後はリフォームに丸投げらしい。

そして、リフォームショップに確認したところお客様が持ち込む際に会社独自のお直しの仕様書を持たせるショップは2店舗しかなかった。

たぶん私には理解出来ないのだが、アウトレットモールでお買い上げの商品は各ブランドがほとんどが採寸のみの(それすらもしないショップもあるとのこと。)丸投げでお直しの責任をあまり持たないのが常識らしい。

現実にお直しの出来あがりのトラブルはよくある。事前に我々がそれを入念にチェックしたりしてお客様にご迷惑がかからないよう努めるのが、私からすれば常識かと思うのだが…

フッティングの際でも、お客様の体型を目寸法や採寸で確認し、事前に修理が発生する可能性が高いことを会話したり、受け取りやご配送が可能であることを説明することは、お買い上げ率を上げる有効な方法であるはずである。

また販売スタッフも複雑な修理やお直しのトラブルを経験することによって、その対応やノウハウを蓄積することができる。ある意味お直しの採寸だけはマニュアルだけではどうにもならず、経験値が必要である。

確かに最近ではコンビニなどで修理を頼めるサービスがあったりするが、アウトレットのショップがお直しというお客様との接点を省くのは勿体無いと思うし、お客様の本意ではないと思う。

あるお客様がスーツをお買い上げ頂いた際に話していたことが印象深い。

以前祝日に某百貨店ブランドのアウトレットでスーツを買った際、お直し屋さんが混んで散々待たされたので

「結構高いスーツなのに、もうあそこで買うのはこりごりだ。」

という事を話していた。うちのショップでは後日"受け取り"や"ご配送"の選択肢がある。

お客様にもお直しで並ばなくても良い選択肢が必要である。

「アウトレットはそんなに安くない。」そんなタイトルの見出しがネットではよく見かけられる。

今回はそこに言及するつもりはないが、プロパーショップとの差別化で顧客サービスの部分でお直しというものを簡素化するのは得策ではない。

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