2015年 9月1日 東京オリンピックのエンブレムは白紙撤回になった。

渦中のパクリ疑惑の佐野研二郎氏は発覚からネット民やマスメディアに袋だだきに合い、とうとう四面楚歌のような状況まで追い込まれた結果であった。

丁度、同じ時期に日本の外ではアメリカ人アーティスト、リチャード・プリンス(Richard Prince)の他人のインスタグラム画像を使用した作品が約1,000万円の高額で落札された。

その事が海外メディアで報道され、"盗用(パクリ)とアートとは?"という次元での物議をかもした一件でもあった。

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www.fashionsnap.com


↑↑↑プリンスに流用されたinstagram @doedeere

前者は疑惑というグレーゾーンにもかかわらず、コンペの賞金も貰えず、白紙撤回ということでその利権にもあやかれず、個人のプライバシーまで晒されるような社会的な制裁を受けている。

一方プリンスはインスタグラムに投稿された画像は転用が可能で、著作権侵害には当たらないという規定をうまく利用して、まんまと高額な落札額を得たのであった。

最近ではパソコンやスマホで簡単に文章のコピペは出来るし、写真や画像のアップロードもボタンひとつで、簡単に出来てしまう。

多少、語弊があるかも知れないが、多くの人がFacebookやinstagramなどのSNSやブログでwebからアップロードした画像やコピペした文章を投稿したりしている。それがパクリ(盗用)である自覚が無い人が殆どであろう。

それを考えると、あまり同情する気はなれないが、佐野研二郎氏が多くのパクリが存在する時代にそこまで叩かれるのはどうかなと思ってしまう。

むしろ広告のプロであるなら、絶対ばれないパクリ(盗用)をするべきであり、佐野氏自体がパクリ時代にどっぷり浸かってしまった為、感覚が麻痺して安易な模倣になってしまったのではないだろうか?

事実佐野氏は写真共有SNSのpinterestのアカントを持っており、それをデザインのネタ帳にしていたと思われる疑惑
が持たれている。(アカントは既に削除されている)

それと比較すると著作権のことでは何かと裁判沙汰やトラブルが多いプリンスは賢い。instagramの著作権が無いということを理解し、アートという名の元に堂々と流用している。

プリンスはこのパクリ時代を理解して、それをアートに変えてしまう、この時代の寵児と言えよう。

私はこの現代のその流れを全否定するつもりは全く無い。パクリもちょと見方を変えれば、引用するとか、シェアするというニュアンスに受け止めることも可能である。

ただ、全く面白味の無い、余りにも露骨な盗用は自重してもらいたいものだ。

色々な要素の模倣の蓄積とその組み合わせから、新しい発見を見つけ出すということがオリジナルティーを生む思考と考えるのが自然であろう。

むしろ、無から全てが新しく生みだしたとする発想の方が馬鹿ばかしく、胡散臭い話である。

第一、人類史上言葉でも道具でもひとつの発見と無数の模倣と無数の改良が、多くの叡智と文明を生んだのである。

2016年4月8日、2020年に開催される東京オリンピックの新エンブレム最終候補の4組が発表された。
前回のような安易な模倣と思われる様なものではなく、人間の叡智の結晶と思わせるようなエンブレムであってほしいですね。

Richard Prince: It's a Free Concert /KUNSTHAUS BREGENZ/Richard Prince リチャード・プリンス ハードカバー アートブック SONIC YOUTH ソニック・ユース
Richard Prince: It's a Free Concert /KUNSTHAUS BREGENZ/Richard Prince リチャード・プリンス ハードカバー アートブック SONIC YOUTH ソニック・ユース

RICHARD PRINCE:3RD PLACE(P) /D. A. P. (USA)./. リチャード・プリンス ペーパーバック アートブック SONIC YOUTH ソニック・ユース
RICHARD PRINCE:3RD PLACE(P) /D. A. P. (USA)./. リチャード・プリンス ペーパーバック アートブック SONIC YOUTH ソニック・ユースRichard Prince: It's a Free Concert [ Richard Prince ]
Richard Prince: It's a Free Concert [ Richard Prince ]





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