20数年紳士服の販売の仕事をしていていると、40過ぎの既婚男性の「保留」や「断り文句」で

「大蔵省(妻)に相談しないと!」

という言う言葉によく出くわす。

さすがに、最近は以前より、この言葉を使うお客様は少なくなった。

なぜなら、大蔵省は2001年に廃止になり、財務省と金融庁がその後を引き継いだからである。

ただし、大蔵省の名称は奈良時代の大宝律令から廃止になるまで1300年も続いた名称でもあり、日本人の心に深く根付いている言葉である為、
「家計を管理する者」=「大蔵省」
という"例え"は今後も使われるに違いない。

大蔵省(妻)に関連する言葉なのですが、「父ちゃんの立場指数」という経済指標をご存知でしょうか?

一見、ふざけたネーミングであるが、経済アナリスト・馬渕治好氏が考案した指数で、日本百貨店協会の「紳士服等売上高前年比伸び率」から「婦人服等売上高前年比伸び率」を引いたものである。

その意味とは、景気が悪いときは「父ちゃん」の服代は真っ先に削られる一方、「母ちゃん」はあまり変わらずに服を買い続けるので「父ちゃんの立場指数」は下落する。

この指数をグラフ化すると株価の動向や、実際の景気の動きに符合するのである。

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引用:mw.nikkei.com

昔から、紳士服と景気の関係は「飛行機の車輪」に例えられていて「景気が回復すると最後に上って、景気が悪化すると最初に落ちる」と言われているだけあって景気の指標に使いやすいのだろう。

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いずれにしても「父ちゃんの立場指数」とは「消費者の気分」によって大きく左右されものである。

もしかしたら、日本の経済の行方は「女房達の大蔵省」が握っているのかもしれない。

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