青山商事

8月に入り東京では小池さんが新知事に就任し、5日から始まったリオのオリンピックは日本代表が様々な競技で健闘している。

ファッション業界はと言うとお盆を過ぎても、まだまだ残暑が厳しいのだが、当然のように秋物一色に彩りが変わりだした。

然れども毎日通勤で見かけるサラリーマン達は半袖ドレスシャツに黒っぽいスラックスと"ちょと冴えないクールビズファッション"であると常々思っていた。

そもそもクールビズはいつから始まったんでしたっけ⁉︎

そうそう小泉さんが首相の時で、先日都知事に就任した小池さんが環境大臣の時でしたから2005年に始まったからもう12年目になるんですね ♪

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当時の小泉さんのセンツァ・クラバッタ(ノータイのスーツの着こなし)もかっこいいとは言えないシロモノでしたが12年後の前都知事の舛添さんのクールビズのセンスも酷いものでした。

よく公務の合間に美術館には行かれるというお話でしたが、美術品に投資する金銭的センスはあっても、映像で見ても残念ながらファッションセンスは皆無であったように思える。

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それに引き替え新知事の小池さんは元アナウンサーだけあって、華やかさがあり"小池グリーン"という方法でファッションも政治活動に生かしている。

最近では安倍総理のセンツァクラバッタもなかなかいい感じで好感が持たれる。台襟の高いドレスシャツをセレクトしているのがやや古臭い感じがするが、スーツの肩ラインのフィット感やウエストのシェイプ具合は全体にスッキリした印象を持たせる。一般的なサラリーマンには良い見本になると思う。

ポイントはそこなのである‼︎

小泉さんや舛添さんに共通する点はスーツの上着のサイズが大き過ぎであり、肩パットが厚すぎるのである。ですからタイを外してもリラックス感が無く、余計間抜けになり、加えて丸首の下着が見えるようだったらスーツを着た男の色気やエレガントさは台無しである。

クールビズのファッションの着こなしのアドバイスとしては、暑いからと言ってスーツでもシャツでもオーバーサイズを着ない!

ジャストサイズを着ることである。

政治家のクールビズファッションの例えなのだが、あくまで見たまんまの感想であり政治的な意図はありません。

あえて言わせて頂ければ、政治家としての手腕も重要ではあるが国民から支持を得るには見た目も大事な訳で、そこそこのファッションセンスも必要でしょう。(本人に無くてもスタッフがセンスがあれば問題無し。)

こんなクールビズの期間は1年でどれくらいあるのだろうか?

先日ドレスシャツをお買い求め頂いたお客様とお話したのだが、
「クール・ビズはいつからいつまで何ですか?」とお尋ねした所…

「5月1日から10月末までですね〜。」というお話でした。

ほぼ皆さんが同じような回答で、最近は夏が長いせいか、半年位がクールビズのようだ。中には年間ノータイでビジネスカジュアルでOKの会社も増えている。

この影響でアパレル業界では春夏のスーツとネクタイの売り上げ数は間違いなく減少傾向にあると実感している。

普通に考えたら半年間クールビズであったら、平織りで通気性が良い背抜きの春夏用のスーツは着る頻度が少なくなるであろうし、買う必要性も減ってくるだろう。

ネクタイに至っては5月に入ると、一気に売り上げが落ちる。

クールビズ以前は一般サラリーマンの実働するスーツは平均して春夏4着、秋冬4着年間で計8着という記事を雑誌で読んだことを記憶している。

今はたぶん春夏2着、秋冬4着位なのではないか?

残り2着分はというと?

ジャケット、パンツ、シャツ、ポロシャツのクールビズ関連のアイテムに変化していったのであろう。

この"クールビズ"というお題目はビジネスのファッションの流れを確実にカジュアル化に進めていくようだ。

例えば青山商事はビームスデザインの協力して
"ビジカジ"の新ブランド「モアレス(MORLES)」をこの秋より立ち上げる。

青山商事、ビームスデザイン企画監修の"ビジカジ"新ブランド発表

また最近では渋谷区はビームスの協力を得て区役所職員が「渋谷区らしくお洒落にクールビズを楽しむ」をテーマとした取り組みも始まっている。

渋谷区職員によるクールビズの取り組み「HOW TO BE COOL GUYS!」が開催されました

このような役所とファッションブランドが手を組んでビジネスカジュアルと言うものを提案していくのは良い試みかと思う。

なぜならビジネスカジュアルそのものの定義が今一つ曖昧な為、ファッションブランド主導による公務員への提案はセンスも良いだろうし、一般企業にもビジネスカジュアルの定義を線引きできる可能性がある。

前々から言われているがスーツを扱うアパレルメンズブランドはどう足掻いても、クールビズ前の時代に戻ることはないことを自覚し、日本人に合った機能性とファッション性の高いビジネスカジュアルを提案していくことが、今後とても重要な課題である。


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20数年アパレル販売でスーツを販売している私から言わせると、日本を代表するアスリートの肉体の鎧にスーツをあわせることは至難の技である。

例えばサッカー選手は腿が太くO脚だし、野球選手はお尻がデカいし、ましてやラグビーの五郎丸選手などは極端な"撫で肩"で、首、腕、腿も相当太い。

それだけにアスリートのオフィシャルスーツを提供するというメーカーは技術とノウハウがある証しであるとも言える。

今話題の 青山商事のラグビー日本代表へのオフィシャルスーツ提供は写真を見る限り、屈強な男達に自社ブランドの"HILTON"のスリムな型紙を使ったオーダ使用かと想像出来る。

確かに五郎丸選手も以前の少しゆったりしたスーツ姿の時より、代表のスーツを着ている時の方が数段かっこいい。

そしてあのW杯での日本代表の活躍は青山商事からすれば"棚から牡丹餅"の筈だった。
ところが先日、五郎丸選手のスーツがNステ生出演中に破れてしまった。

世間ではこの事件をラグビー選手の肉体のすごさをTwitterなどで笑い話にしているが、青山商事からすればとても残念な話で"トライ目前のノックオン"のようなものだろう。

あまり脇の部分が破れることは経験上見たことが無いので、やはり五郎丸選手の筋肉が半端ないという事なのであろうか?

生地がイタリア・マルゾット社の極細手Super130’s&カシミア素材を使用していることで、かなり柔らかいことで、工場の縫製技術が足りなかった為なのか?

"HILTON"の型紙をベースにした、上着の採寸が細過ぎたのか?

いずれにしても『やはり青山だから』、『所詮、量販店』というイメージは拭い去れ無い。

ちなみに限定360着の日本代表レプリカモデルはネットで定価¥79,000が¥59,000(税別)で販売され、サイズ切れが出ていて結構売れているようだ。


ラグビー日本代表が細身のシルエットを着てかっこ良くなったのは間違いない、その影には多くの技術スタッフの苦労があったに違いない。

思いがけないアクシデントの為、『やはり青山だから』、『青山もなかなかやるな』のどっちの評価に転ぶか判らないが、あの鋼鉄の肉体の鎧を持つ男達にスマートなスーツを着せたことは評価したい。

青山商事と日本ラグビーフットボール協会のスーツサプライヤー契約も今シーズンで終了ですが、契約更新するのか、もしくは他社のブランドが名乗り出るのかそれはそれで今後の楽しみである。
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出典:報道ステーション


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