東日本大震災から5年たった。

この時期になるとSNSで『東日本大震災3.11~あの日を忘れない~閲覧注意』というタイトルの動画がよくシェアされる。

2013年に公開されたものだが、津波の凄まじさや、被害に遭われた方の深い悲しみが鮮明に5分26秒の動画に記録されている。

この動画の表現の方法は賛否両論で、「TVでは知る事が出来ない現実を知らされた」、「絶対このことは忘れない」「涙があふれて止まらない」などの肯定的な意見がある反面、計算された画像の配列やBGMの使い方など完成度が高いことで見る者が「現実感を持てない」、「死を美化している」という批判的な意見など、5年たった今でも多数のコメントが寄せられている。

また、コメントの中で「BGMが良い」と言う意見よりも「BGMが必要ない」という意見が多かったが、果たしてこの曲、chouchouの『another _dawn 』なしに685万回も動画が再生されたかということに関しては甚だ疑問である。

実は、なんとも言えない複雑な気持ちであるのだが、この動画がこれほど反響が無ければ、私もchouchou(シュシュ)というアーティストを知ることはなかったであろう。

chouchouはボーカルの juliet Heberleとコンポーザーであるarabesque Chocheの2人によるユニットで、ジャンルとしてはエレクトロニカとかアンビエント(環境音楽)に分類されるでしょう。日本でも以前話題となった『セカンドライフ』というバーチャルワールド内で結成され、アバターを使って、その3Dの仮想空間のライブ会場で楽曲を発表している。

私が最近気に入っているのが、クラッシックから着想を得たと思われる「ave maria」。
juliet Heberleのミラクルボイスとarabesque Chocheのクラッシックの造詣の深さが光る作品である。



そして、あの3.11の震災の画像に使われている『another _dawn 』は第3者の2次利用であり、オリジナルはchouchouのホームページで東日本大震災の募金を呼びかける形で無料でダウンロードされている。



ホームページの中でarabesque Chocheはこう語っている。


中略〜

残念ながら、哀しみの渦の中にいる方には音楽は全く無力かもしれません。

でも、そんな方々がまた夜明けを感じる事が出来た時、よりよい明日があるように、僕らにも、彼らにも、この音楽が役立つ事を願って作りました。

今暗闇の中にいる人が、またいつか歩き出せる事を願って。

2011.04.02 Chouchou


音楽はそれほど無力なものなのであろうか?

今だに反戦や平和を願う人々はジョンレノンの「イマジン」を合唱し、デヴィッドボウイの「Herors」はベルリンの壁を壊すきっかけになったとも言われている。

音楽を通じて人々が感じる力とは

「希望」…「夢」…
そして「未来」


arabesque Chocheのコメントからも理解できるように、時には音楽は希望を見出だす為の一筋の光なのかもしれない。




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